ニコチンと副流煙の有害性

禁煙が難しい理由はニコチンの依存性

禁煙しようと思ってもなかなか続かない人は、ニコチン依存症に陥っているかもしれません。

ニコチンを摂取すると、脳内でドーパミンという快楽物質が分泌されます。ドーパミンが分泌されると、頭がすっきりしたり、気分がリラックスしたりします。

一方、ニコチンが体内から排出されると、離脱症状としてイライラを感じるようになります。そのイライラを解消するためにタバコを吸い、ニコチンが切れるとまたイライラして……を繰り返しているうちに、定期的にニコチンを摂取してないと落ち着かなくなってしまうのです。

禁煙をしたくてもなかなか止めることができないのは、ニコチンによって得られる快楽に、脳が依存してしまっているからです。

禁煙によってニコチンを摂取しないでいると、ニコチン不足による離脱症状によってストレスや不調を感じるようになります。

タバコがやめられないのは、意志が弱いからではなく、ニコチンの科学的な作用のせいです。依存性の高い物質のため、自分の意志で止めるのは困難です。

自分の意志で禁煙することが難しい人は、禁煙外来で治療を受けましょう。

副流煙の方が有害物質を多く含んでいる

タバコの煙には、喫煙者が吸う主流煙と、火がついているところから出てくる副流煙の2種類があります。

副流煙には、主流煙の3倍近くの有害物質が含まれています。そのため、受動喫煙に何よりも気を付けなければいけません。

副流煙を吸うことを、受動喫煙といいます。副流煙は、主流煙よりも有害物質が多く含まれています。そのため、喫煙者よりも、喫煙者の周りにいる人の方が、健康上の被害が大きくなります。

タバコの煙を吸っていると、肺がんや呼吸器疾患、心筋梗塞などにかかる可能性があります。

非喫煙者であっても、受動喫煙を続けていたら健康を害するリスクが高くなります。

タバコが体にもたらす害というのは自分だけではなく、他人にも及んでいることを認識するべきです。

喫煙は肺がんの原因になる

喫煙が原因で起こる様々な病気の中で、特に知られているのは肺がんでしょう。

喫煙の際に吸った煙は、まず肺に溜まります。そのため、タバコに含まれる有害物質は、まず肺に悪影響を及ぼすのです。

肺は、酸素を取り込み、二酸化炭素を排出するという役割を担っています。そのため、煙によって肺の機能が低下すると、全身の細胞が酸素不足のような状態になります。

脳の細胞が酸欠になれば脳卒中、心臓の細胞が酸欠になれば様々な心臓病が起こりやすくなります。

喫煙は、肺や脳、心臓以外にも、咽頭や食道、肝臓、子宮頸管のがん、関節リウマチなど、様々な病気を引き起こします。勃起不全や子宮外妊娠など、生殖にまつわる症状を引き起こすこともあるのです。

喫煙には、これだけの健康リスクがあります。

喫煙は肺から様々な臓器に悪影響を与える

タバコがまねく深刻な疾患は様々なものがあります。その1つが「慢性閉塞性肺疾患」です。

慢性閉塞性肺疾患は、気管支や肺に障害が起こり、呼吸がしにくくなった状態です。COPD(Chronic Obstructive Pulmonary Disease)とも呼ばれます。

慢性閉塞性肺疾患は、息切れや痰が多くなるなどの症状が特徴です。日常生活にも支障をきたすほど症状がひどくなることもあります。

また、慢性閉塞性肺疾患は、肺だけでなく、全身の様々な臓器の病気の原因になります。症状が悪化すると、死に至る危険もあるのです。

タバコが原因で起こる慢性閉塞性肺疾患は、肺だけでなく、他の臓器や細胞にも害が及びます。そのため、体の様々な場所で病気が併発し、治療は困難になります。